愛川晶さんの
神田紅梅亭寄席物帳シリーズの3冊目。
「芝浜謎噺」が一番面白いかもしれない。
「野ざらし」は隠し子の若い娘が訪ねてきたのを壁に穴をあけて
問い詰めると釣りにいって人骨を釣り上げてそれを供養してやったら
若い娘で幽霊になってやってきたと嘘噺をいう。
それを聞いた八五郎が人骨を釣りに出かけるという話だ。
「芝浜」は先日の事件もののドラマでも同じような筋があったが
魚屋が早朝に仕入れに河岸にいった先の芝の浜で古い財布を拾う。
開けてみると42両が入っていたので有頂天で人を呼んで酒盛り。
朝になって働きにいかないでいると妻が昨夜のことは夢だと
白を切る。言いくるめられて真面目に働くという話。
「試酒」は大家との間で酒が5升飲めるかどうかで賭けをする。
下男に挑戦させると5升を飲んでしまう。疑問に思った大家が
薬でも飲んだかと聞くと下男は「5升も飲んだことがないので
試しに酒屋で5升飲んできました」という話だ。
☆☆☆☆面白い。特に「試酒試」はどんでん返しでしかも涙がでそうだ。