荻原浩「海馬の尻尾」を読む。


   荻原浩にしてはめずらしい作品かもしれない。
   主人公がヤクザの若頭だ。
   「海馬の尻尾」
    「及川」は子供のころにひどい両親に育てられ恐怖・良心を感じない。
    アル中でもあり組長のすすめで脳科学研究所という精神科へ。
    敵対相手を殺し、逃亡を兼ねて反社会性パーソナリティ障害で入院する。
     脳の感情を司る海馬に欠陥があり、良心や恐怖を感じない病状だ。
    ウイリアムズ症候群という同じ恐怖を感じないがそれ故に誰にも懐いていく
    梨帆という女の子との関わりで及川は良心を持つようになっていく。
    この研究所は原発事故や自衛隊の海外派遣に対する恐怖軽減の
    薬をつくるためのの国家的実験棟であった。
      研究所の正体を知った及川は
     治療の失敗で部屋から出られない梨帆を救うために及川は脱走を図り
    成功するのだが・・・・・・・・・・・。
        ☆☆☆荻原浩の政治的?匂いもするサスペンス。おもしろい486頁。
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