ひとりの園生の死を悼む。


    障がい者施設のひとりの園生が亡くなったという。
      長い間 人工透析をしなければならなかった。
       
      園を訪問するたびに
      「おにいさん!おにいさん!
                今回はおねえさん来れないんだって!」
       必ず 声をかけてくれた。
                 必ず 手をにぎってくれた。

       家族が来れないときは涙を浮かべて本当に悲しそうだった。
       人工透析のつらさを乗り越えて頑張っていた。
       痛々しいほどに頑張ってた。

       なんと言えばいいのだろう。「つらさからやっと解放されるね!」
       「園の友達を空から見守ってね!」「仲良くしてくれてありがとうね!」
       手を合わせるしかなにもしてやれなかった。77歳の生涯だったという。