中村文則(1977年生まれ)
初めて読む。他の本を手にとったのだが紹介をみると芥川賞作家だという。
その題名が「土の中の子供」だという。この本にかえた。短編2編。
「土の中の子供」(2005年芥川賞受賞)
私は子供のころに親戚に暴行の連続の中で育てられ、いつしか暴行に奇妙な
感覚を覚えるようになる。妊娠して相手に押されて死産した性を感じない女と
同棲。酒に溺れて階段から落ちて入院する女。私はタクシーの運転手
なのだが稼いだ途中で強盗にあって土に埋められ、逃げる途中の
カーブで衝突。女と同じ病院に運び込まれる・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「蜘蛛の声」
勤人が突然会社に行けなくなる。家を出たくなくなる。誰とも会いたくなくなる。
電車の中でみた橋の下のコンクリートの窪みで住むようになる。
社会と隔絶、世界から隠れることに快感を覚える。蜘蛛にそれを指摘される。
通り魔殺人事件が起こり警官が橋の下にやってくる・・・・・・・・・・・・・・。
●グレーと黒の絵の具でなんども塗りつぶした油絵のような本だ。