伊東潤「武士の碑」を読む。


  伊東潤作品はほとんど歴史小説
  まあまあだったらつい図書館にある本を全部読みたくなる。
  「武士の碑(いしぶみ)」
   主題は西南戦争の描きつくされた内容なのだが違いは西郷隆盛
   中心ではなく村田新八が主役なのが目新しい。
   しかも村田新八が明治4年の岩倉具視を全権大使とする欧米使節団に
   同行した時のエピソードを西南戦争時に部下に語る形で挿入される。
   フランスで新八は置引きにあう。犯人の子供は貧民窟のアパートに入っていく。
   そこにいたのは梅毒に侵された美人の売春婦。食事もとれない彼女に
   新八は食事や生活の世話をしついには故郷で死にたいという彼女を
   馬車にのせて故郷まで連れて行く。帰国命令も無視して介抱するのだが
   彼女は亡くなる。帰国したら待っていたのは幼馴染の西郷の下野だった。
   新八は望まぬ戦争に巻き込まれていくという話だ。
   なにも決めぬ西郷が悪いと思いつつも神格化される西郷に心寄せていく。
       そしてみんな死んでいく。
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