早速重松清「峠うどん物語」下巻を借りて読んだ。
今まで読んだ重松清作品で一番この上下が好きかもしれない。
「峠うどん物語」下
下巻も5編の淑子ちゃんを中心にした出来事の短編の集合だ。
「柿八年」は空襲の数年後に大水害という被害にあった町でかけうどんを
慈善でふるまった人がいて感謝してるという投稿があった。柿の葉がのってた。
柿の葉うどんとしてそれは誰かと人探しが始まるという話。
「わびすけ」は小さいころ親友だった祖父の友達がヤクザの道にすすむ。
侘助という花に因んだ彼のあだ名であった。祖父は「予約席」にわびすけと
彫った木札を修行時代の思いとともにいつまでも残していた。
堅気になる前に若い衆をひきつれてうどんを食べにくる・・・・・・・・。
「アメイジンググレイス」はヤクザのわびすけが祖父に死んだら
この歌でひとり葬式をしてくれと言われていた。淑子はCDを買いにはしる。
訃報にヤクザの葬式に行かずにうどんをひとり打つ。この日は淑子ちゃん
がはじめて友の葬式にでた日であった。貸し切りにして淑子ちゃんに
打ったうどんを食べさせる。CD聴きながら淑子ちゃんは涙する。
どれも涙がにじむほどほんのり心温かくなる話ばかりだ。