重松清「峠うどん物語」上を読む。


    重松清作品は結構読んでるつもりである。
    子供を題材にしたものがたくさんある。
     文章のテンポがいつもすばらしいから読み易くもある。
      読みながら涙がこぼれる本も多い。好きな作家である。
  「峠うどん物語」上
    両親が先生の子供に生まれた淑子ちゃんが主人公だ。
    お祖父ちゃん夫婦が長寿庵といううどん屋を町の外れの峠で営んでいたが
    店の向かいに市営斎場と火葬場ができた。名前を変えた。「峠うどん」。
    淑子ちゃんは時々お店の手伝いにいく。

    淑子ちゃんの出来事が5編に纏められている。どれも心温まりすばらしい。
    特に好きなのは「おくる言葉」
    卒業式に転出する先生におくる言葉をする役目が籤引きで当たってしまった。
    担任でもない、習ったこともない、学校にも半年程度しかいなかった先生。
    その先生のために一生懸命贈る言葉を考える話。そのころ父にも
    悪がきだった子が親のお寺を継ぐために坊主になった途端に
    その子の恩師から死んだ時には導師になってと頼まれたと相談を受ける。
    父も一生懸命そのための文章を考える。
    大役にとまどいつつ恩師をあの世へ届ける大役を務めるのだが・・・・・・・・・。
    
    重松作品を読んでたら親も子もいい親・子ばかりになるだろうに。
         早く下巻を借りにいこうっと。
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