作家 湊かなえは図書館では必ず書棚を覗く作家である。
実際にはなかなか新しい本が陳列されてることは少ない。
「物語のおわり」
山に囲まれた小さな町のパン屋に生まれた女の子が小説を書く。
=パン屋の娘絵美はハムという青年に恋し、婚約するのだがかっての夢
だった小説家になるというチャンスが友達から舞い込んでくる。
作家の弟子になるべく親や婚約者の反対を押し切って東京にいく汽車に
乗るべく駅に向かうが駅には婚約者が待ち受けていた。=
この結論の見えない小説がいろいろな人の手に渡っていく。
それぞれの立場・境遇のもとで「物語」の結論を考えさせていくという話。
夢を追うのか、現実的幸せを求めていくかという難題なのだ。
何十年か後、ネットで小説を書く級友とトラブルになった失意の孫「萌」
のためにふたりで北海道に旅にでる。昔ばなしをしながら「物語のおわり」の
実際が明かされる。 構成が面白く考えさせる本である。