「兄  いもうと」を読む

 自分はいい読者ではない。図書館派で本を買わない。
       作家にはなにも貢献しないでもろもろのいいとこどりをしているのだから。

      鳥越 碧の作品である。同年代ということもあって6冊目の本である。
      「花筏」「漱石の妻」「一葉」「波枕」「陶炎」そしてこの「兄 いもうと」である。

      正岡子規(升 のぼる)と妹 律の兄妹愛、子規の「文学的功績」、そして壮絶な闘病生活の話である。

      本によれば子規は明治期特有のエネルギーを持つ人材のなかでも強烈なエネルギーを持ち、

      若者たちをひきつけた。漱石、直之、虚子、碧梧桐はじめ俳人歌人、小説家たちを。

      現在にいたる俳句の革新を、短歌の革新をなしとげた。     しかし それまでに

      「脊椎カリエス」という病に犯され、モルヒネもきかない壮絶な闘病生活をしながらそれを

      成し遂げたという。それを支えたのが2度の離婚を乗り越えた妹 律であり、律の愛であったという。  

      36才という若き生涯であった。 爪の垢でも煎じて飲みたいほどの生き様でありエネルギーである。
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