澤田瞳子作品。澤田瞳子の時代物。役人たちの権力争いを横軸に石見銀山の堀子や銀吹師の生活が描かれる作品。山に働く男たちは40歳を超えて生きることはなかったという気絶という肺や心臓の病で亡くなった。それだけに生きてる間は一生懸命に。
『輝山(きざん)』
石見の銀山に金吾は中間として江戸から上役の指示で岩見の奉行を監視すべく遣わされた。
岩見銀山は銀山で働く銀山町とそれ以外で働く大森町という街に2分していたが銀山町に徳市という飯屋があってそこにお春といういわくありげな働き者がいた。お春に想いを寄せる与平次は堀子頭で実直で信頼されていた。山は役所直轄の山と山師が経営するところと分かれていた。銀山だからいろいろな事故があり、事故があるから寡婦がいて働き口があり、子供たちも働いていた。金吾は銀山町と大森町を行き来しながら奉行の監視をしながら働いているのだが奉行の岩田鍬三郎は能力も高く仕事の姿勢にも尊敬を高めていく。そして金吾に指示していた小出儀十郎が江戸から無宿者を連れて付き添って岩田を追い落としにくるのだが・・・。金吾は・・・。
(お春はかっての好き人が岩見に来たことを知ったのだがその時にはお春を思う与平次は肺や脳を患いもはや余命も少なくなっていた。それでも与平次は最後まで輝こうとする・・。)
☆☆☆