灰谷健次郎『少女の器』を読む。

灰谷健次郎作品。児童文学作家という。初めて読む作家。250頁ずっと会話で統一された本。絣という少女を中心にして離婚した父・母の会話が続く。1989年に刊行された昭和の香り色濃い自分たちには懐かしい本。

『少女の器』

「絣」は知性があり感情も豊富な中学生。著名な版画家の父と大学教師の母は離婚していて母と一緒に暮らす。観察眼の鋭い絣はなにかと母の行動や考えに対立して直接言葉をぶっつける楽しい?生活。一時 母は男と同棲して絣も馴染むのだが男は家を出ていく。絣は何かあると父に電話したり家にいって食事を作ったり心広い人間的に大きな父が好きだ。絣に恋人ができた。大阪から転校してきた父はとんでもない男で母はアル中で入院しているという根は優しい突っ張り少年と。父は恋人ができたりするのだが・。

そんな人間関係のなかで絣が成長していく話が会話だけで成立していく・・・。

(最後のクライマックスは父の版画が模倣ではないかと画壇から疑われて失意のまま父は子供の頃好きだった木場に行くのだがもしかしたら自殺するのではと母峰子と絣は必至で探す。)

☆☆☆