知念実希人『黒猫の小夜曲』を読む。

知念実希人作品。初めて読む作家。1978年生まれ・沖縄出身の医者という。

死者の魂を天国(我が主様のもと)に案内する仕事から死んでも未練があって地上を彷徨う「地縛霊」となっている人を地上に降りて黒猫に姿を変えて説得して天国に送る道案内の仕事についた

霊的存在の話。若い女性の地縛霊に出会って黒猫はその女性にベッドに人工呼吸器をつけられた女性の身体を借りられないかと頼まれて・・。黒猫のクロと女性の身体を借りた麻矢とのコンビで難しい殺人事件の解決と地縛霊を説得して天国に送る話。

『黒猫の小夜曲』(黒猫のセレナーデ)

製薬会社の二代目会長南郷純太郎が自宅の側の道路で事故に遭い死んだが地縛霊となって彷徨っていた。愛妻家の夫が自殺とされた。妻は直前に電話で話した会話に納得できないでいた。夫は妻への感謝の言葉を言えなかったことが未練で地縛霊となっていた。

黒猫は無事説得して天国へ送り出した。

その製薬会社の研究棟に刑事だった男が地縛霊となっていた。刑事の役目を降ろされたのだ。研究室を張り込み中に中で同じ研究員だった若い小泉研究員が鍵のかかっていた研究室で首を切って死んでいた。妻がその前に死んでいたので妻を殺したことから逃れようと自殺したと警察は判断したのだが千崎刑事は納得できず病死したあと地縛霊となっていた。黒猫は事実究明を約束して千崎を説得して天国に送るのだが次々に奇怪な出来事が・・・・・・。黒猫は麻矢と走り回る・・・。最後まで大どんでん返しが続く。

結局 殺人犯は大学教授の峰岸という。びっくり。

(黒猫はいう。「ぐだぐだ目標もなく生きて死ぬ直前になって無駄な時間を消費してきたことに気づく人が日本には多いのではないか・・」「人間以外の動物は子孫を残すことだけで必死に生きてるのに人間は・・。」「地球上で唯一いつかは死が訪れることを知っている生物がそれをしらない生物よりも怠惰に生き・・・・。」)

☆☆☆