吉田修一『オリンピックにふれる』を読む。

吉田修一作品。吉田文学は文章がピカイチと思っているのだが今回はオリンピック選手の話ではなくほんのちょっとオリンピックに触れた人たちの思いを描いた作品を短編4編。

『オリンピックにふれる』

「香港林檎」はボート競技に頑張っていた香港の阿志と俊志は友達なのだが伸び悩んでいた阿志にコーチの話がくる。自分が断れば俊志に・・・・。いつかは・・・。

「上海蜜柑」は上海の阿青はかって体操をやっていたのだが今は専門学校の講師となっている。彼女は蛍蛍といい休みを利用して彼女の故郷に結婚報告を兼ねて帰省すると思っているのだが彼女には台湾から女優への誘いが・・・。彼女の本心は・・・。

「ストロベリーソウル」はアイススケート場で働くクアンドンはフィギュアスケートを練習するかわいいジウォンに恋を。いつからか練習に来なくなった彼女を心配する。

「東京花火」は東京は首都といってもそれぞれの東京がある。白瀬の部下で藤井という男がオリンピックのボランティアをしようと思っていたのだがコロナで無観客。せめて国立競技場に手を触れたいと。会社を無断欠勤。白瀬と同僚とで探して競技場で警備員と押し問答しているのを発見。白瀬と同僚もいつしか応援してた・・・。

(香港・上海・ソウルの社会事情も描きながらも東京オリンピックではコロナでの無観客での会場に入れない人たちの思いも。)

☆☆☆