汐見薫『白い手の残像』を読む。

汐見薫作品。初めて手にする作家。東京外国語大ドイツ語学科卒。東京出身。年齢不詳。現在は中・高の先生。経済小説を主に執筆という。銀行と不動産・建築会社の役員の癒着を描く。

『白い手の残像』

記者の広瀬と得体のしれない老人山室の間に上から人が落ちてきた。女性だった。

自殺と片付けられそうだったのだが不審に思ったのは山室。実は山室は元地検の検事で

新生理想銀行の常務と馴染みで銀行に時々顔を出して窓口での有名人だった。

銀行は多額の不良貸し付けを抱えて瀕死の状態にも関わらず長年の取引先の沖田建設にさらに融資をする状況になっていた。その沖田建設の役員岸辺と銀行の曰くありの常務板垣と頻繁に会っていた。しかも自殺といわれた女性は九条真知子は板垣がニューヨークに行った時に板垣と岸辺と一緒にドライブで事故を起こしていた。それを嗅ぎつけた山室は広瀬や銀行の正義感あふれる監査法人の三田とともに銀行と建設会社の不正と九条の死の謎を解明していくという筋だ。

(山室老人がいい味だして小説を色付けして楽しませてくれる。)

☆☆☆