青山文平『底惚れ』を読む。

青山文平作品。図書館に行ったらやっと青山文平の目新しい本があった。それがこの本。図書館では新刊というか新しい本が読めないことが残念なのだが料金なしで本は読めるんだから贅沢は言っていられない。古かろうが作家が絞りだした作品なのだから。

今回の本はこれまでと違い一人称で心情をるる述べている本なのだ。

『底惚れ』

田舎の在から一季奉公で武家屋敷に奉公してる男が御老公と称する雇い主のお手付きの下働き女芳が子供を産んだら追い出された。男が芳の在までついて行くことに。退職金がわりに10両といいつつ5両を持たされて。暗黙に途中で殺したら5両が手に入るよとばかりに。途中の宿で身体の関係をもたらせられて眠ったところを女に刺される。

運よく助かった男はきっと刺した女は人殺しをしたと悩みつつ在で嫁になることもままならないのではと心配する。在に問い合わせると在にはいないという。きっと女郎屋で働くしかないのではと。あちこちの遊郭を芳を探し歩くのだが男はひょんなことで出会った女郎屋の路地番の銀次に相談すると自分で女郎屋をやって女を待ったほうがいいのではと。女郎が勤めたくなる女郎屋を開業して手広く営業する。屋敷で一緒に働いた信という女が手伝うようになってさらには女郎屋の薄っぺらの布団を女郎にも客にもいい厚手の布団の貸し出し業もはじめる。そんな時親身にアドバイスをくれた銀次が刺される。じつは銀次も人探しをしていてかって武士の時に酒乱で家を出たかっての女房でその女房に刺されたのだ。銀次は死んだ。男は途方に暮れてると実は男が探すために仕事に精をだしていたのだが信は芳が生きてるのを知っていたという。信は男に底惚れしていて男が一生懸命さがして仕事に励む男のために黙っていたのだと・・・・。

銀次が死んで呆けていた男はやっと信のほうを向いた・・・・・・。

(田舎から出てきて江戸慣れしない男が人のために一生懸命生きてたら真面目な女に底惚れされてめでたしめでたし。)

☆☆☆