長辻象平『闇の釣人』を読む。

長辻作品。初めて読む作家。1948年生まれ・鹿児島出身・京大卒とある。

魚類生態学で著名という。(やみのつりゅーど)と読むという。江戸時代の生類憐みの令が発令された当時の話。この令は犬だけでなく鳥や魚にまで適用されたという。

本所深川で起こった事件を8つの短編としてまとめられてる。表紙に魅せられて・

『闇の釣人』(本所深川七不思議異聞)

釣の楽しみがなくなるだけでなくその令によって不幸な死を遂げたものもあった。それに反抗して闇で釣りをする藩主の妾の子で長屋住まいの浪人(長四郎)と親が禁制の釣の嫌疑で殺された美人で闇の釣りで生活をする(お与満)、知り合った釣りに理解がある徒目付の(阿久沢)。色欲と地位に執着して事件を起こす小人目付から出世街道をいくデブの(出雲)との確執で本所深川でいろんな事件がおこり七不思議とされるが・・。

(鯉や鱚やタナゴや鰻などの釣りの仕方も交えながら描かれる。ただ山場が小さく盛り上がりに欠ける気がする。事件はほとんどが(出雲)がらみでよく分からない。)

☆☆☆