久坂部羊『ブラックジャックは遠かった』を読む

久坂部作品読むのは22作目。青春回想記。久坂部さんは医者の家に生まれて阪大医学部を出てお金もあり才能も頭も良くて青春もさぞ恵まれたものだったと思われる。久家と坂部と干支との組み合わせでペンネームができたという。

ブラック・ジャックは遠かった』(阪大医学生ふらふら青春記)

いろいろ書いてるが一番気になったのは医大生の実習の解剖では4人でグループで4か月かけて解剖実習するという。医療の進歩のためとはいえ簡単に解剖に承諾するのもどうかと思ったなあ。先日解剖後の処理について戻ってこないとかそんな話がニュースになったのを思い出してしまった。標本室についても今は異なるとは思うけれど読んでて辛いものがあった。うーん。回想記とはいえ医学会の裏側を露骨に出てくると知らぬが仏でいいのかもと思ってしまった。

北海道のヒッチハイクの項の渡辺淳一の「阿寒に果つ」や大阪の久坂葉子さんの話は興味をそそられた。

(作家を志して31年かあ・・。大学後すぐに結婚してマイペースを貫く。すごいなあ。)

☆☆☆