張栩著。小説ばかり読んでいるのだがたまに息抜きに好きな囲碁棋士の張栩棋士の囲碁に対する哲学を読んだ。古い2010年の本で張栩棋士が最盛期のころの本である。
それでもトップに上り詰めた人にはトップに上り詰めただけの哲学があった。
もはや上を望むべくもないが少しでもあやかりたいものだ。
『勝利は10%から積み上げる』
張栩棋士は台湾出身の1980年生まれである。囲碁史上初の5冠達成し史上最速の700勝達成という棋士だ。驚いたのは少年時代に天才と謳われ林海鋒棋士の内弟子になり順風満帆と思われた張栩棋士でも一大転機があって囲碁をあきらめて米国に渡る寸前に辛うじてプロ棋士になれたという時期があったこと。
「言い訳してるうちは勝てない」「相手を尊敬することが勝ちにつながる」「勉強するために勝ち続ける」張栩棋士は天才という思いが強いが実は本当に努力の人であったらしい。「脳の体力を鍛える」ためにあらゆることを囲碁に結び付けたという。
プロならではの弱いことは恥ずかしいことと言ってはばからない。
(ちっとも自分は強くはならないが所詮出足が遅いのだからせめて努力を重ねて自分の人生に囲碁も頑張ったと思って死ねるようにしたいものだ。)