久坂部羊『テロリストの処方』を読む。

久坂部作品。病気の話ではなく医者の話。勝ち組・負け組という医者の中でも格差がでてきて勝ち組医者たちを抹殺するテロが何件か起きた。患者もまた優遇される勝ち組患者と雑に扱われる負け組患者ができた。そんな中でなんとかしないとという空気の中で起きた事件を取り扱った本。

『テロリストの処方』

医者から医事評論家に転身した浜川に同窓の狩野が医者を束ねる全医機という組織の総裁になったので祝賀会の幹事にという案内が。集まったのは勝ち組といわれる教授や開業の医者が集まった。医療格差・医療破綻といわれる時だ。狩野は良質な医療と無駄な医療を区別し、有能な医者・無能な医者を選別して免許の更新制や再教育などの方針を打ち出して庶民受けを狙うのだが・・・。そんな中で浜川の同窓の医者だった塙と小村が行方知れずホームレスにまで落ちぶれたという噂が。そんなとき「豚ニ死ヲ」をという脅迫文とともに勝ち組といわれる会に爆薬を投げ込んだり、刺殺したりするテロと思われる事件が続けて起きた。かって塙が学生の頃「豚ニ死ヲ」という言葉を使っていたのを思い出して塙の消息を探すのだが塙がホームレスの格好で死んだというニュース。

辿っていくと実は塙ではなく小村が殺されたのではないかという疑惑も・・・・。

そして・・・・・・。首謀者は結局狩野の事務局長の安達が・・・。

(現在もお金持ちは自由診療という名で特別な診療をうけているのだろう。国民皆保険で誰でも日本では平等に診療を受けられていると考えたいが実態は・・・)

☆☆☆

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