朝井作品。はじめての作家。大阪出身の62歳の女性作家。表紙の絵に惹かれて本を手にする。江戸時代の話なのだがかなり現代的な物語になっている。女性らしい物語構成と文章と。
「ぬけまいる」とはお伊勢参りなのだがその土地にいられぬ人たちが抜け出す話。
『ぬけまいる』
江戸で幼いころからの仲良し3人組は猪鹿蝶といわれた友達。お以乃・お志佳・お蝶が本名だ。お志佳のいわくありげなお伊勢参りの提案に以乃・蝶も好きな花札で決める。
たいした路銀も持たずに柄杓をもてば行けると旅にでて珍道中を繰り広げる話。
剣術を習っていた志佳は夫も子供もいる。以乃は独身で母の飯屋を手伝っているバクチに強い。蝶は結婚して子供もいるのだが商才はが抜群。こんな28歳の女たちは困っている人を助けたり、恋をしたり、店を立て直したり、宿場で美味しいものを食べたりと
なんとかお伊勢まいりをすませるという珍道中絵巻だ。最後は清水の次郎長も出てくる。
(とびきり・なめんじゃねえ・のるかそるかなど平易なタイトルがついて女性たちの喧嘩したり・やきもちを焼いたり。珍道中を面白くさせてる。)
☆☆☆