#塩田武士『盤上のアルファ』を読む。

塩田武士作品。デビュー作というが素直に面白い。春に「盤上に散る」を読んだがそれ以上かも。昭和世代だから面白いのだろうかという気もするが・・。登場人物がどの人もユニークで事件記者から左遷された秋葉隼介・一途な将棋好き真田信繁が主人公だ。アルファというのは孤高の強いボスオオカミのことを言うらしい。

『盤上のアルファ』

真田信繁の子供時代。母が男をつくって逃げ、父は飲んだくれで借金取り立てでいなくなり叔父に育てられる。ただひとつ父は将棋を教えてくれた。中学を卒業すると叔父の家を出、将棋の奨励会に入ってそこそこの成績だったが辞めてしまう。しかし将棋の夢はあきらめられず新制度による大人によるプロ棋士の道をめざす。そんな時文化部に左遷されて落ちぶれていた秋葉記者と出会い登龍試合の前にアパートを追い出されて秋葉記者のアパートにころがりこんで奨励会棋士8人と対戦して6勝という厳しい試合を勝って夢を果たすという話。

(人間的に非常にユニークな真田、最初は嫌がっていた秋葉も次第に真田の応援に回る。好きこそものの上手なれというが一途な人が一番強そうだ。大谷翔平選手を思い出してしまった。)

☆☆☆☆

f:id:yamachanmamechan:20211207162809j:plain