#蓑輪諒『殿さま狸』を読む。

蓑輪諒作品。「でれすけ」に続いて2作目を読むのだが面白い。時代物の切り口というのだろうか小題も考えさせる。今回も馴染み深い蜂須賀小六とその嫡子家政の話なのだが・・・。現代にも通じる話が展開する。

『殿さま狸』

家が没落して川波衆というごろつきというか技能集団を組織して羽柴藤吉郎をトップに押し上げることに生涯を捧げた武骨な蜂須賀小六。関白秀吉になっても厳しいことも秀吉に言える関係を築いた。嫡子家政はそんな父を超えることを考えて武勇に励むのだが世は秀吉が平定してしまった。家政はどうすれば父を超えられるか。父小六のおかげで

徳島15万石の領地をもらってしかも家老衆として数人の家来を秀吉は付けてよこした。自分の力で得た領土でもなく自分の能力を認めて家来になったわけでもない家老衆。出した答えは民の幸せのために働くことだった。藍をひろげ城の落成で民を招待して歌や踊りで賑わってそれが阿波踊りとなっていった。そして秀吉の死で関ケ原の戦いに。家政は領土のために民のために東西どちらにつくか究極の選択へ・・・・。

(臆病で弱い自分だけれどたえず自分はなんなのかを問い続けて全霊でことに当たった家政は家康にも重用されたという。)

☆☆☆☆

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