#澤田瞳子『弧鷹の天』を読む。

澤田瞳子作品。奈良時代の大学寮を扱った小説なのだがなにしろ630頁の長編。

儒学による官吏を育てる学校で国造りの理想に燃える若者たちの姿が描かれる。

それにしても長編すぎて疲れた。

『弧鷹の天』(こようのてん)

高向斐麻呂は高貴な家の清河家の従者だが主人は遣唐使として渡って帰ってこれないで娘の広子に仕えているのだが自分も唐に渡りたくて大学寮に入って儒学を学ぶ。

寮には優秀な先輩の雄依や上信や後輩たちや寮には入れぬ奴婢が学びたいと侵入した赤土と絆を深めるのだが時代は恵美押勝太政官として権勢をふるい一方で道鏡が女帝に取り入り勢力を拡大し、ついには恵美押勝の乱と呼ばれる戦闘が。恵美は失脚し道鏡と女帝は仏教に帰依し儒学の大学寮は閉鎖される。大学寮の寮生はバラバラにされるのだが先帝の幽閉先の淡路に行って少数の兵力ながら義に生きようとするものも。

国軍の圧倒的兵力の前に先帝ともどもみんな殺されるのだが・・。斐麻呂・赤土はなんとか生き延びて・・・・。

儒学と仏教。良戸と奴婢。惠美押勝道鏡。赤土の妹益女と斐麻呂の恋。などなどで奈良時代の若者像が描かれるがとにかく長編。)

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