吉田修一作品。一番好きな作家の吉田作品。続の横道世之介が出ていたとは。
めちゃめちゃ面白い。世の中の流れに逆らわず善意で生きて行ってささやかなことに幸せを感じる横道世之介。周りの人たちに知らず知らず爽やかさと生きる力を与える。
2019年2月発行。読んでるほうも世之介に魅かれていく。
『続・横道世之介』
大学を卒業しても就職に乗り遅れて掛け持ちのバイトで生活するもそれほど気にしない。「コモロン」は気の合う同期なのだが大きな証券会社に勤めて卒業後も飲んで歩く仲間。仕事に挫折して世之介とアメリカ旅行へ。そして「コモロン」は留学を決意。
子持ちの桜子となんとなく付き合って実家の親父や兄や子供亮太といい関係になってプロポーズするのだが断られる。兄は学生時代に集団で喧嘩して不随にした相手に献身的に付き合うような男。床屋で逢ったヤクザな女は頭を坊主にして寿司職人に一大決心。
世之介の周りの人たちはみんないい人になり生きる力をつけていくのだが世之介は線路に落ちた女性を救おうと飛び込んで死んでしまうのだ。子供だった亮太は大人になってマラソン選手としてオリンピックにでる。みんなの心に世之介は残っていく・・・。
(テンポも最高で漫画を読むより面白い。善意を貫けば世の中もまんざらではない。
やっぱ吉田作品は柔らかい本も芥川賞のような固い作品もいい。これで14冊読んだ。)
☆☆☆☆