澤田瞳子作品。時代ものの作品が多い中でこの本は占いをしながら身体を売って糧を得る2人の女性が将来を考えていかさまの神社を作ってのし上がる話。ちょっと以前の作品よりだるいかもしれない。
『腐れ梅』
長屋に住む巫女とは名ばかりの美女と曰くありげな醜女の綾児と阿鳥のふたり。
阿鳥から道真公の怨霊を担いで神社をつくって稼ごうと持ちかけられる。
綾児は客や公家や道真の末裔などを動員して京都北野の地に北野神社をつくって筆頭巫女になって取り仕切るが後押しする公家たちの思惑や阿鳥たちとの諍いと色病によって神社を乗っ取られ優しく思いを寄せていた医者の橘に治療しつつ再起を思う。
(売女と客、権門家の思惑、ずっと想いだけを寄せる男。道真公の伝説など・・。
「ーほとがかゆい-」ではじまって「-ほとがかゆいー」で終わる色濃い作品。)
☆☆☆