伊東潤『囚われの山』を読む。

伊東潤作品。時代物が多い伊東作品だが今回は明治に起こって映画化もされた八甲田山の死の行軍を題材に最後は推理小説のような展開になる本。

『囚われの山』

「歴史サーチ」という雑誌を出す出版社の編集部員の菅原が主人公。

八甲田山の死の行軍を掘り下げようと菅原は資料を読み漁り何点かの疑問点を提示して

出版すると好評であった。ひとつは過酷な冬の行軍で兵卒の服装が軽装だったこと。

遺体は199人だったにも関わらず軍は当初死者が200人と発表していたこと。

青森に出張して小山田というガイドを頼んで調査した結果が好評だったので菅原は最後まで解決していなかった疑問199人の死者の謎を調べるべく冬の同時季の八甲田を実地調査すべくガイドの小山田とともに3つの露営した地点を西洋カンジキを履いて回るのだがガイドの小山田はどんどん先に行ってしまってはぐれて死に目に遭うのだが

やっと着いた田代の湯には小山田は先に着いていたのだがそこで起こったことは菅原を小山田が殺そうとした。なぜか。実は小山田はかって温泉があった田代湯の子孫であった・・。行軍の死者の中でどうしても軍の捜索でも遺体を探せなかった兵士が一人いたのだ。それは稲田という随行参観として参加していた山口少佐の従卒であった。

(雪中行軍で猛烈な吹雪きと寒波で磁石も効かないなかで彷徨し次々に倒れていく兵士

。稲田は実は田代に生還していたのだが・・・。菅原という優秀な編集員が編集長になれず、離婚問題を抱え、女編集長との一夜の男女関係も・・。)

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