#花村萬月『弾正星』を読む。

花村萬月作品。いつも花村作品を読むとエロさ・エグさが凄いなあと思う。

今回も信長中心に描かれる戦国時代のなかであまりいい印象を持っていなかった

松永弾正久秀の波乱万丈・自由奔放?の生涯が描かれる。

『弾正星』

怪しげな出自で生まれて祐筆として権力に取り入った久秀は権謀術数で力をつけていく。蘭十郎という取り柄のない男が祐筆で身を立てようと久秀の面接を受けて久秀と

気が合い以後蘭十郎は久秀の弟とまで言われる仲になる。武力には弱いが女・茶道・権謀に明け暮れて1代を築いていく。自尊心が強く弱みを隠して緊張しつつ生きる久秀はそのはけ口を蘭十郎と付き合うことでバランスをとって権力者を殺し城や莫大な財をなして下克上の成功者となっていく。蘭十郎は久秀が両親を殺した娘まさ音と一緒になって久秀から財を受けながら一途な平穏な夫婦生活をおくっていく。

(信長より先に天守閣をもつ城を作ったり、名器といわれる茶器を集めたり、神仏を恐れぬ殺戮をしたり信長と並び称せられる器であったと花村歴史は伝える。)

☆☆☆☆

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