町屋良平氏のデビュー作という。「1R1分34秒」で芥川賞受賞。
先日読んだ「ぼくはきっとやさしい」でまた別な作品を読みたいと思った。
「青が破れる」の他に「脱皮ボーイ」と「読書」の短編も収録されてる。
今回も若者のやさしさみたいなものがにじみ出ている。77歳の自分がいうのも変か。
『青が破れる』
若者たちの繊細な内面を描かれた作品。
ボクシングにも好きになることも中途半端だが人がいい「秋吉」。難病に罹って入院してる「とう子」を愛する「ハルオ」。ボクシングを極めようとプロで頑張る「梅生」。
秋吉は人妻が好きで時々あって関係を結んでいるのだが会うのをやめた時息子の「陽」から電話で母が死んだと。秋吉は陽を抱きしめて泣く。ハルオは交通事故でとう子は
病気が進んで死んでしまう。秋吉は自分なりの生き方をしようと・・・。
「脱皮ボーイ」は合コンのあとで電車に轢かれそうになって助かった若者が結果として恋人を得る話。デートしつつ自分のお尻の皮が脱皮していくように自分は・・・。
「読書」は電車のなかで男女の膝がぶつかるのだが女は読書をしつつ、男は過去の女について思いを馳せる話。
(いまの若い子はいろんなことを思いつつ生きてるなあ。自分の若い時は・・・)
☆☆☆