西村賢太著。東京出身の53歳の異色の芥川賞作家。学歴もない家庭的にも異色の生い立ちを持つ作家。
『歪んだ忌日』作家の自伝的小説
主人公北町貫多は古書店で働くうちに藤澤清造という明治からの小説家に心酔して
没後弟子と自称して忌日には墓参りを欠かさずひとり清造忌を行うほどであった。
やっと素人の出戻りの女性に恋して同棲するまでになるのだがちょっとしたことで持ち前の短気・暴力・などが災いして別れるのだが相手は別な男と一緒になっているのをみるとウツウツとする性格であった。父は事件を起こして母と別れてまた母の姓で一緒になるような家庭で疎遠であったが若いころには働く意欲もなく短気ですぐ仕事を辞め、母に恐喝紛いで金をせびって生業をすることもあった。モノを書くようになって芥川賞をもらってからはまとまったお金も得ることもあったが・・・・・・・。
清造忌を芥川賞をもらってから開催すると以前にはない記者や関係者が参列するようになったが貫多はそれが面白くない・・・・・。没後弟子を自認していながら周りに振り回される自分がまた憂鬱になっていく・・。
☆☆☆(風貌と一緒の文章が面白いがこれが藤澤清造に心酔している故か)