#須賀しのぶ『夏空白花』を読む。

須賀しのぶ作品。須賀さんの作品は3作目か。この前に読んだ本が津本陽の「泥の蝶」というビルマ戦線の悲惨なものだった。この本は同じ戦争から立ち直った戦後の高校野球が立ち上がるまでの話である。12万人が戦死まだ戦争の後遺症が収まらぬなかで

本土では子供たちの希望の光として高校野球を立ち上げる活動をしていた。感動の物語である。すごいギャップ。

『夏空白花』

甲子園を夢見てた少年神住は肩を壊しアジアの記者としてマラリアで生死を彷徨い

帰国して朝日新聞の記者となる。あちこちの球場がGHQに接収されて動きがとれないなか戦争で中断していた高校野球(中等野球と言ってた)は佐伯達夫という中等野球の祖ともいえる人の「一刻もはやくこどもらに野球をやらせなあかん」という声にかっての中等野球主催の朝日新聞は動き出す。厚い進駐軍の壁を熱意で切り拓き西宮球場ではあったけれど昭和21年8月15日参加校750校西宮には代表校19校が集結したという。食べ物もなにも不足の戦後1年で開催したのだ。熱狂的な観客のなかで・・。

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