池井戸潤『銀行総務特命』を読む。

池井戸潤作品。半沢直樹で超有名になった。テレビドラマでも人気という。

この本は2002年出版だから2004年の「オレたちバブル入行組」の前の作品。

このなかの主人公は指宿修平だが半沢直樹と同じような銀行マンだ。

『銀行総務特命』

帝都銀行の総務部特命担当の指宿修平は短編的に描かれる8つの銀行の不祥事の

解決にあたる話である。「漏洩」は銀行の機密の名簿を売りに来た男がいた。内部

からの情報漏洩ではないかと周平は調べる。「煉瓦のよう」は500億の融資をしている建設会社が倒産した。帝都では担保をとっていて損失がないとされたのだが実際は

200億の損失になりそうだ。何かあるはずと修平は立ち上がる。「官能銀行」は

週刊誌に行員のAV写真が載った。それは銀行内の上司への復讐だった。一番半沢に

似ているのは「特命対特命」。トレーディング部の銀行員が巨額損失を出した。

修平が調べているという恐怖で取り返そうと巨額になったと弁解し銀行内の派閥で

修平を追い落とそうという話も根回しされ絶対絶命になるのだが・・・。

(どれもコンパクトにまとめられ面白く読み易い。後の半沢直樹も想起される。)

☆☆☆

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