伊東潤作品。もう13冊目になる。太地で棟梁の息子として鯨漁の棟梁に
なるべく生まれた太地覚吾の波乱に満ちた一生の物語である。
江戸時代後半から明治期にかけての話なのだが時代を行き来しながら描かれてる
のでその点がちょっとややこしい。「男たちの船出」のほうがよかったかなあ。
『鯨分限』
棟梁になった覚吾はやっと軌道にのったころ辰太夫指揮の船団で鯨漁で
大きな鯨を獲っていていて悪天候に襲われて200人余の勢子船・持双船などの
乗組員が遭難する。またある時は大津波に襲われて持ち船や家屋敷も失う。
そんななかでもお金を工面して鯨漁に執着する。時には北海道の噴火湾での
鯨漁まで夢見ながら高杉晋作や坂本龍馬との出会いをしながら苦闘するが
最後は海外の近代化された鯨漁に押されて倒産するのだが最後まで
日本の鯨漁の近代化を夢見た最後の棟梁としての生き様が描かれる。
☆☆☆