伊東潤「国を蹴った男」を読む。

伊東潤作品。これで10作品目だろうか。

  これまでの伊東潤作品の中では一番面白いかもしれない。

  6編の短編が納められてる。

『国を蹴った男』

  「牢人大将」は武田軍の直属でない牢人衆で藤太郎が頭である。

   武士たるもの失うものが大きいほどいい働きはできないという考えで

   武勲を上げた時所領をやるといわれた時それを辞退して金貨でもらう男の話。

   「戦は算術に候」は算術にかけては随一といわれた長束正家の話で秀吉に

    仕え、三成とともに兵站と調度を担って朝鮮出兵関ケ原を仕切った話。

  「短慮なり名左衛門」義に生きる名左衛門は直江兼続に煮え湯を飲まされる話

  「毒蛾の舞」はうだつの上がらない前田利家を助けて身体を張った妻マツの話

  「天に唾して」は利休の弟子宗二が秀吉に最後まで逆らう話。

  「国を蹴った男」は蹴鞠の鞠づくりの職人と蹴鞠の達人今川氏真の交流話。

   氏真は城主よりも蹴鞠と歌で生きた男という。

☆☆☆☆

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