母の日に亡き母を想う。

母の日くらい亡き母を想うことがせめての親孝行か。

74歳で亡くなった母。母より長生きをしてしまった。親孝行というべきか。

商売の家に嫁いだ母は欲のない商売の下手な人であった。

父もまた店に出て接客をするのは得意なほうでなかった。

接客は母の仕事であったが売るより商売抜きで話すことが多かった。

怒ること知らない母であった。叱られた記憶がまるでない優しい母であった。

三人の子供を成したが世間的意味では恵まれた人ではなかった。

割烹着を着て裏の畠でトマトやさやえんどうをつくる母を思い出す。

戦後の買い出しで最終便に乗って子供の手を曳いて背中に大きな行李を

背負った母を思い出す。

先日 障害のある妹を見送った。母の元に着いただろうか。何をはなしてるだろう?