筒井康隆「原始人」を読む。

筒井康隆氏。面白い作家である。

 「原始人」は1987年発行の古い短編集である。13篇が収められている。

  性交がかなりたくさん出てくるのだが嫌味がないのは作家の腕か。

「原始人」

  短編集のなかで面白く読んだのはやっぱり「原始人」が一番だ。

  漫画で見たようなイボつきのこん棒をもった原始人が草が食べたいと

  老人を殴って殺し、女がいれば欲情のままに殺してでも性交して女を

  引っ張って自分の住まいの洞窟にいくのだがそこにはなにげに都合のいい

  女がいるのだがその女にうるさくされて殺してしまう。結局ひとりに

  なって魚を食べたいと川に行き手当たり次第にこん棒を振り回して魚を

  獲った時殺したはずの女に持っていってやろうと考えるという話。

  「怒るな」はオートメーション工場でロボットたちの作業効率が落ちた。

   何故落ちたのかという議論をする。教育・性欲いろいろ議論がでる話。

   「俺は裸だ」はエリートの男が女とホテルにいってことが終わった時に

    火事になって女に先に逃げられて裸のままで街を彷徨う話。

☆☆☆

f:id:yamachanmamechan:20200216173126j:plain