芦川澄子「ありふれた死因」を読む

芦川澄子氏は1927年生まれという。87歳で亡くなられた。

懸賞小説に「愛と死をみつめて」を応募して作家に。図書館のミステリーものの

推薦コーナーにあった1冊。「愛と死を・・」「マリ子の秘密」「ありふれた死因」

「道づれ」その他ショートショートなど多数収録された本。

愛と死をみつめて

  親友(由利子)の恋人(雨宮)が東京に転勤に。一緒に転勤したのは私。

  雨宮は上司から結婚を勧められ、私は心配して大阪の由利子の元へ。

  実はふたりは恋のライバル同士。由利子は自殺してしまう。雨宮が殺した

  のではと疑い雨宮を問い詰めるが・・・。雨宮への由利子の手紙を見せて

  自殺だと示したのだが却って疑いをもって雨宮の自宅を訪問した結果は

  酒を呼ばれ酔って踏切に・・。送ってくれた「雨宮の顔を見た時笑ったよう」

「ありふれた死因」

  種次と信子夫婦は妻が15歳も若く子供がいなかった。夫は不況で仕事が

  うまくいかずノイローゼになり自殺未遂などを繰り返し入院などもした。

  力つけてくれたのは夫の部下の由木だった。病が回復して閑職でも

  働きだしたのだが夫に不吉なことがしばしば起こるようになってついには

  布団の中にガスをいれて死んでしまう。人々は自殺と疑わずしばらくして

  由木と信子は結婚する。不吉なことをした葬儀屋などは不審に思うが・・・。

(どの作品も流れるような文章で読み易いが種が見えるのが早いような気がする)

☆☆☆

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