西加奈子氏の本は6冊目ぐらいだろうか。感受性についていけない気がして
たのだがこの「まく子」は面白い。75歳で読んでみて自分の思春期のころ
の気持ちが分かるような本だし、いろんなことが優しいことばで沢山詰まってる。
「まく子」
死ぬことのない宇宙からきて人間の姿をしたコズエという11歳の子が
お母さんとともに集落の村にやってきて旅館の息子慧と同級生になる。
大人になりたくない慧と死なない国という目も耳など五感の楽しさを
知らなくていろんなことに興味をもつコズエとの関わりのなかで
成長していく慧の思春期物語だ。友情・性・大人・再生・祭りいろいろある。
まく子という題名はふたりで城跡に登ってコズエが石垣の朽ちた土を
撒くことからきているのだろう。「かぐや姫」を思い出した。
☆☆☆☆