青山文平さん作品に大分馴染んできた。柔らかい文体が好きだ。
時代ものとはいえ3人の友達の関係と剣との関わりと事件だ。
題名は3人が通う道場にある樹から。武士は友情や夢を持っても叶わないことも。
「白樫の樹の下で」
剣術しか行き場のない小普請の「登」「昇平」「兵輔」は佐和山道場に通っていた。
村上登は町人ながら武士を目指す巳之介から高価刀「一竿子忠綱」を託される。
昇平は辻斬りから役人を助けて仕官が叶う、兵輔には美人の佳絵という妹がいる。
三人は大人になって剣の道だけを目指していたのが少しずつ変わっていく。
「大膾」という残虐な辻斬りが出て世間を騒がせていたが同時に兵輔がそして
佳絵が殺される。昇平も好きだった佳絵は登と夫婦の口約束をしていた。
「忠綱」という刀のために人生を狂わされた武士たちがいた・・・・。
村上登は結局失意の中葛藤の末、小人目付に。