梓澤要「荒仏師 運慶」を読む。

梓澤要氏は1953年生まれ静岡県の出身という。仏教関係の作品が多いようだ。

初めて読む作家。仏像に興味があって運慶が目にとまったのだ。

「荒仏師運慶」

 10歳から父康慶に他の子供より仏師としての才能を見出され京仏師が全盛の

 なかで奈良仏師として一派を築いていく運慶の一代記を描いた作品。

 姿かたちなき仏たちとそれにすがりつくしか救われない人間たちをつなぐ仏師。

 時代は源平のころであり、頼朝が、関東に武家社会を確立したころの話であり

 運慶は関東と結びつくことで仕事を得、天平文化の京仏師たちとは

 一線を画しながら名声を博していき、6人の自分の子供たちを

 小仏師として育てて一大勢力となり湛慶を後継として育て上げる。

 「木の中の仏に訊け、運慶に頼らず自分自身になれ、わしをすてろ」と

 いいつつ1223年にたくさんの仏像を残した運慶は死んだという。

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